「実践的」産学連携コンソーシアム形成

東京工科大学大学院ビジネススクール・アントレプレナー専攻(東京都大田区、専攻長 尾崎弘之)とITベンチャーの株式会社パワーソリューションズ(東京都千代田区、代表取締役社長 佐藤成信。以下PS社)は、この度、産学連携プロジェクトとして、「オブジェクト指向開発コンソーシアム」を共同で立ち上げました。また、大学側のメンバーとして株式会社クオーレがコンソーシアムの運営にあたります。

このコンソーシアムは、先進的なソフト開発方法論である「オブジェクト指向」が、実際の開発現場でどの程度効果を発揮するのかを検証するものです。この研究内容はビジネス的な実践度が極めて高く、基礎研究を中心とした従来の産学連携とは異なった新しい形の「実践的な産学連携」と言えます。

かつてはソフトを必要とする製品といえば産業用コンピュータやパソコンなどが主でしたが、近年は携帯電話や家電製品など幅広い分野に拡大しており、ソフトの量はこの7年で10倍といわれるほど急増しています。しかし日本ではソフト技術者が不足しており、優秀な技術者を育成することも容易ではないため、ソフトの品質を保つことが非常に難しくなっています。このことを裏付けるように携帯電話やゲーム機、自動車から新幹線に至るまで、ソフトのプログラムミス(バグ)による不具合が最近になって相次いで報告されています。今後も増え続けるソフトの需要に対する供給が追い付かず、高品質を売りにしてきた日本製品がバグだらけとなり、技術立国日本の屋台骨を揺るがす事態となりつつあります。

こうした状況を打開する方法として注目されているのが「オブジェクト指向」開発です。世界標準規格の設計ドキュメントを用い、ソフトを再利用できる部品とすることで仕様変更に柔軟に対応できるなど、ソフトの品質と開発効率を高めるものとして期待されています。

本コンソーシアムは、東京工科大学ビジネススクールと、資産運用会社のサポートを主業務とするITベンチャーのPS社により共同で設立され、同社がすでに旧来の手法で開発したシステムを再度「オブジェクト指向」で開発し、その効果について内外の有識者から評価を受けるものです。まずはPS社の主な顧客である資産運用会社の利便性を追及しますが、研究内容の将来的な汎用性は広範囲と思われます。

東京工科大学大学院ビジネスクール アントレプレナー専攻とは

2005年4月に開設された、本学初の経営学系の大学院。大企業の管理職を養成するのではなく、起業家・新規事業開拓者の教育に特化するという、他大学のビジネススクールと差別化されたプログラムを編成している。教員は、大企業、ベンチャーのマネジメント経験者及び先端技術の事業化に造詣が深いメンバーを揃えている。

現在、1,2年生合わせて60名の大学院生が在籍しているが、大企業の管理職、ベンチャー経営者、中堅企業の2世経営者等で構成され、大部分の学生が中長期的に起業を目指している。想定される起業分野は、先端技術(IT,バイオ)、医療システム、流通、小売、製造、農業・環境ビジネス等、多岐に亘っている。